“スピリットフェアラー”であるステラの役割は、迷える魂が最後の願いを叶えるのを手助けし、彼らの旅立ちに寄り添うこと。
船旅を続けるうちに、乗客たちが心の奥にしまっていたものを打ち明けてくれるようになりました。
「マジョーレの別荘に連れていってほしい」とグウェンに頼まれたとき、そこへ行きさえすればきっと彼女は満足して、迷いなく旅立つことができるのだと思っていました。
しかし、
「この家が大好きだった」
「でも、それは嫌いの裏返しだったのかも」
いつも堂々としていたグウェンがなんだか小さく見えて、この言葉が心に残りました。
その後、グウェンが船から姿を消してしまい、きっとここにいるはずと思ってすぐに駆けつけたのですが…… ああこれ、間に合ってよかった………。
これまでの、挨拶のように交わしていたものとは少し違うハグ。
グウェンの心が少しでもあたたまりますように。ステラがそばにいるよ……。
そして、ついにこの時が。
グウェンの持ち物だった古いライターを、ステラにあずけてくれました。
他の乗客のみんなが見送りに来てくれてる……。
ステラがカロンと出会い、スピリットフェアラーとなった場所、“エバードア”へ向かう小舟の上で、グウェンの最後の言葉に耳を傾けました。
こんなこと言ってくれて、本当に嬉しい。
ステラの船の最初の乗客だったグウェン、さようなら………!!
うわああああ………!!
ちゃんと彼女の迷いを取り除き、願いを叶えてあげられたのかわからないけど、どうか元気で…… いつかまた、“向こう”で会えるといいな……。
さようなら………!!
船に戻ってグウェンの個室に入ると、“魂の花”が咲いていました。
キレイだ……。グウェンありがとう、さようなら……。
次に旅立ったのはサマーでした。
サマーは植物や宝石に詳しくて、彼らのもつ力や、彼らとの接し方についてたくさん教えてくれました。
特別レッスンとしてふたりで山に登り、瞑想をしたことも。
エバードアへ連れていったときも、サマーは最後までステラの先生でした。いろんなことを教えてくれてありがとう。
「あなたのことを誇りに思う」
「あなたの心を、咲き誇るようなあなたの魂を」
ステラにかけてくれた素敵な言葉。
ありがとうサマー、さようなら………!!
そして、私がとても…とても切なかったのがアリスの旅立ち。
アリスは高齢で足が弱ってしまったので、個室を甲板まで下げたり、外を歩くときにステラが手を貸したりしていました。
するとある日、アリスはステラのことがわからなくなってしまいました。もう……このあたりから涙腺が………
そして、この依頼で涙腺崩壊しました。アリスの娘、アニーの格好をしてエバードアへ連れていく、と。
グウェンとサマーのときは「エバードアへ連れていって」と自分から言い出したのを聞いて連れていきましたが、アリスの場合は、ステラが連れていこうと決めてあげたんですね……。
いつもなら手を引けば自室へ戻ってくれるのに、この日の夜は船首からまったく動いてくれなかったアリス。
ステラが自分のベッドで眠ることで朝までスキップすることができるのですが、最後の夜にアリスをひとりにしたくなくて……。一晩中起きて、アリスに寄り添って過ごしたのでした。
次の朝、エバードアへ。
やはりステラのことをアニーだと思っている様子のアリス。
しかし一瞬、アニーではないと気がついたような場面があり…… うわああああ………!!
最後はやっぱりアニーに話しかけていたようでしたが、いいんです。アニーとステラ、ふたりで見送ることができたので。
身長の低いアリスに合わせて、ステラが膝をついてハグしてあげるのがとても好きでした。
ああ……ありがとうアリス、さようなら………!!
サマーとアリスの個室にも、それぞれ“魂の花”が咲いていました。みんな花の種類が違うんですね。
これから船の上の建物が増えていっぱいいっぱいになったとしても、旅立っていった乗客たちの個室は解体したくない、そのまま残しておきたい…と思っていたのですが、編集画面を見ると個室は“解体不可”となっていてホッとしました。
個室はもちろんなんですが、織機を見ると糸を紡いでいたグウェンを、畑や菜園を見ると植物に音楽を聴かせていたサマーを、果樹園を見るとリンゴを収穫していたアリスを…というように、いたるところで旅立った乗客たちの面影が浮かぶんです。
自分が思っていた以上に、彼女らの生活や仕草が記憶に刻まれていて驚きました。しかし、それに気がついたのはお別れのあと。
今船にいる乗客たち、これから船にやってくる乗客たちとの日々を、ひとつひとつ大切にして過ごしていこう、と感じました。これ、リアルの世界でも言える話ですね。
ところで、最初のグウェンを見送ったあと、走馬灯のようなものを見て↑こんな人(?)がステラの前に現れたんですけど、一体何者なのか……?
いつかまた会うことになるのでしょうか……。
最後まで読んでくださってありがとうございます◎